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第2回【講談師】本牧亭  一龍齋貞心  氏 バックナンバーを見る

【講談師、それは話芸で生の芝居の空間を創り出す役者である】
  昭和44年、それまで長く演劇やTVの世界で役者として活躍していた貞心氏は、本牧亭の支配人に連れられた高座で初めて講談を耳にし、翌年にその世界に入る。それから数年もしない内に、貞心氏は講談の魅力に取り付かれたという。それは、一体何故か?役者としてのキャリアを長く積んできた貞心氏にとって、「講談とは、衣装・道具・他の俳優などの一切を削ぎ落として、自分の言葉一つで、自分の口一つで、観客とその場所を自分の思いと融合出来る。そんな「生の舞台」だったから。」である。
  実際貞心氏の講談は、「見る講釈」である。会話の間に生まれる間一つ、登場人物一人ひとりの細かい設定に基づいた演技、ほんの身に着けている小道具による演出、それらが見事な話芸によって、芝居となり、座ったままの一人の役者が、観客を泣かせるのである。

【積重ねたどんな経験をもが、神技的な芸への道を開いていく】
  長く映像や劇団で役者としてのキャリアを積んできた貞心氏にとって、異世界である講談の世界に飛び込んだ当初は、やはり不慣れで不安な時期もあったという。
  そんな前座自体の貞心氏のその後の道を切り開いたのは、2階で講談の稽古をしていた貞心氏に、1階で他の作業をしながら何気なく聞いていた女将さんが投げ掛けた、「何人の登場人物が会話をしているのかが、あなたは声だけで分かる。 お芝居の経験が役に立っているのね。」という言葉だったそうだ。今までと全く違う土壌である。しかし、自分が積重ねた役者時代のキャリアを生かした、自分にしか出来ない講釈をやればいいのだ、と気付かされたたことが、その後の貞心氏の神技的な話芸への道を開いたのである。

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